膝周囲骨切り術の目標数値62 or 57%??
・近年急速に普及している膝周囲骨切り術の中の高位脛骨骨切り術の目標値についてまとめます。
・HTOでは術中のバリエーションを考慮して57%を目標値とする。
変形性膝関節症
・OA進行のリスクファクターとして
ー内反アライメント(%MA < 40%)
ー肥満(BMI ≧ 25)
ーMRIにおける骨髄病変
ー内側半月板の逸脱(> 3mm)
が挙げられています。
高位脛骨骨切り術
・下肢アライメント異常を伴う膝OAに対する関節温存術として、近年膝周囲骨切り術が普及しています。最も代表的な内側開大式高位脛骨骨切り術 (medial opening wedge high tibial osteotomy MOWHTO)では、良好な術後成績を得るためには% MAを62%とすることが推奨されてきました。
・しかし、東京医科歯科大学の古賀教授は外側コンパートメントOAの悪化、コスメティックな問題やスポーツパフォーマン スへの影響への懸念から%MAを57%に設定しているようです。
・理由として外反アライメントによるjoint line obliquityの関節軟骨への shear stressの増大 、骨癒合の遅延、膝蓋大腿関節軟骨の変性などを懸念するためとのことです。
・57%に設定している理由として、本来であれば50%を目指したいが、術後%MAの95% confidence intervalが7%であることを考慮して57%としているようです。
Double level osteotomyの適応
・術前計画でOWHTO単独では開大角が12°以上もしく はMPTAが95° 以上になるものでは閉鎖式遠位大腿骨骨切り術も検討します。膝蓋大腿関節にOAをきたしている症例や5°以上の伸展制限がある症例ではhybrid closed wedge osteotomyを考慮します。
半月板処置の重要性
・内側半月板の逸脱やMMPRTに対してはそれぞれセントラリゼーションやpull out法で修復を行うことが有効です。