膝関節レントゲン写真のみかた
【構造】
・人体で最も大きな関節であり,大腿骨と脛骨間の大腿脛骨関節,膝蓋骨と大腿骨の間の膝蓋大腿関節に関節面をもち,大腿脛骨関節は内側・外側コンパートメントに分かれる.
・半月板,靭帯,筋肉を中心とした軟部組織により安定性を保っている.
・屈伸運動のほか,回旋運動も生じ,最終伸展時には脛骨は大腿骨に対して15°程度凱旋し,屈曲していくと脛骨は大腿骨に対して内旋していく.
・内外側側副靭帯,前・後十字靭帯,内外側半月板が存在する.
【単純X線写真】
−正面像
・骨の配列,骨折線の有無,石灰化,骨化の有無を確認します.
・読影はABC,すなわちA:アライメント,B:骨(Bone),C:軟骨(Cartilage)に準じて確認していきます.
・アライメントとしてHKA(Hip knee ankle angle),FTA(Femoral tibial angle)やLDFA(lateral disital femoral angle),MPTA(medial proximal tibial angle)を確認します.膝関節の内外反アライメントを測定します.
・B,Cの評価として内側,外側の関節裂隙の評価をします.画像は通常の正面像ですが,正確な評価には立位,膝屈曲位撮影であるローゼンバーグ撮影を行います.