足関節後果骨折の分類と治療適応について
この記事では足関節骨折で頻繁に遭遇する後果骨折の分類についてまとめています。
今回の要約
後果骨折で骨折部の面積が25%未満では保存治療が選択される場合が多いです。
後果骨折の分類はHaraguchi分類が汎用されており、アプローチの選択に有用です。
後果骨折とは
全足関節骨折の7〜44%に生じるとされる比較的commonな骨折です。
【分類】
2006年のCTを用いたHaraguchiらの分類が汎用されています。
その他にもBartönicekらの分類とMason & Mollyらの分類があり、下の図のようにまとめられます。
骨片の位置による分類の違いは下記の表のようになっています。
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Haraguchi
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Bartönicek
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Mason & Molly
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アプローチ
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後外側骨片
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1
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2
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2A
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後外側アプローチ
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後外側+内側
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2
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3
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2B
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内側骨片を整復固定するなら後内側アプローチ
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Shell type
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3
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1
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1
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単独であれば固定不要
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Large type
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4
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3
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main fragmentの位置で決める。視認性は後内側がよい。
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【手術適応】
脛骨関節面の25%もしくは33%以上が一般的な手術適応とされます。
25%以下で内果、外果骨折を整復固定後に不安定性(外旋テストやcotton test陽性)があればシンデスモーシス固定の追加を検討するべきです。
Haraguchi分類のType2における後内側骨片の内固定は現時点ではcontroversialです。骨片の面積が大きい場合には固定を追加することが望ましいかもしれません。
【アプローチ】
外側骨片であれば、後外側アプローチで腓骨を仮固定後に後果骨片を固定し、外果を骨接合します。
外側+内側骨片であれば、後内側アプローチでの整復固定が内側骨片の視認性が良好とされます。