外傷患者でレントゲン撮影をした際に,1つの骨折部位をみつけて他の部位の骨折に気づかないことは整形外科医においてもありますし,非整形外科医にとっては悩ましい問題と思います.
骨折のあり/なしの他に骨折の部位,名前のほかに,重複骨折の有無についても判断できるようによくある重複骨折をまとめました.
1つ目の骨折 |
2つ目に探すべき骨折 |
恥骨骨折 |
坐骨骨折,仙骨骨折 |
橈骨遠位端骨折 |
尺骨茎状突起骨折,三角骨骨折 |
肩関節脱臼 |
Bankart損傷 Hill-Sachs損傷 大結節骨折 |
肘関節脱臼 |
鈎状突起骨折 |
小児尺骨骨幹部骨折 |
橈骨頭脱臼(Monteggia骨折) |
手指骨骨幹部骨折 |
他の手骨骨幹部骨折 |
脛骨骨幹部骨折 |
腓骨骨幹部骨折 |
外果骨折 |
内果骨折,後果骨折 |
内果骨折 |
腓骨近位端骨折 (Maisonneuve骨折) |
中足骨骨折 |
リスフラン関節脱臼骨折 |
踵骨骨折 |
反対側の踵骨骨折,脊椎破裂骨折 |
恥骨骨折は若年者では単独損傷もありますが,高齢者に軽微な外傷で発症する脆弱性骨盤骨折(FPP)では単独で損傷することは少なく仙骨骨折は見逃しが多い骨折です.
以下にまとめています.
この一覧を頭のすみにおいて頂いた日常臨床に活用いただければ幸いです.