次回の人工骨頭挿入術にむけて復習中です.
以前の病院では外側アプローチ,いわゆるHardingeアプローチでしたが,今回は後側方アプローチ,いわゆるSouthernアプローチで施行することになりそうです.
2006年のCochraneライブラリー
では”The quality and quantity of information extracted from the trials performed to date are insufficient to make any firm conclusion on the optimum choice of surgical approach in adult patients undergoing primary THA for OA.”
と後方と外側アプローチで有意な違いはないとの報告
また脱臼率に関してはKwonらによると下記のようです
Approach
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Dislocation rate (%)
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No of hips
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Anterolateral
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0.7
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2147
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Direct lateral
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0.43
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2309
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Posterior (without repair)
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4.4
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505
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Posterior (with repair)
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1.0
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2084
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(Kwon CORR 2006)
脱臼率に関してはやはり,後方の方が若干高くなっております.
しかし前方アプローチは筋損傷が少なく,術後回復が早いというメリットはありますが,THAと異なり,人工骨頭置換では関節包を温存するため展開,特に大腿骨側の処置が困難なケースが多いようです.
The journal of arthroplasty
では後側方 80 versus 前方アプローチ 129 hipsで 矢状面での大腿骨側ステムアライメントについて
- DAAではPLに比べ前傾挿入となる.
- neutralとなったのはDAA 79%,PL 91%と報告しております.
また後方アプローチは展開が容易で応用がききやすいことから,是非習得するべきアプローチといえるでしょう..
今回は御
高齢の患者で骨皮質が菲薄化しているため大腿骨側の処置を粗雑に行うと,大腿骨側の骨折を起こしそうなので,後方アプローチに軍配があがりそうです.