2018年8月4日
引き続きTKAについてです.次は脛骨骨切りにおける内外反アライメントについて.
まずは機能軸(Mechanical axis)に垂直に骨切りすることが大前提です.
片足が短いと,バランスが悪くなり反対側に負担が来るように,脛骨内でも左右が均等である必要があります.
髄外ロッドを使用する方法が主流ですが,ロッドの近位部を脛骨粗面の内側1/3,遠位部を足関節中心,第2中足骨に合わせる方法があります.しかし
1.足関節正面が脛骨より外旋していることがある
2.個人差がある
という点で,内反で骨切りとなってしまう危険性があります.
そこで機能軸として再現性が高くよい指標として,Fukagawa先生らがAnterior border of the tibia as a landmark for extramedullary alignment guide in total knee arthroplasty for varus knees.で報告した方法が有用です.
J Orthop Res. 2011 Jun;29(6):919-24. doi: 10.1002/jor.21335. Epub 2011 Jan 21.
下表のようにAxisを1−10まで設定してそれぞれの機能軸における信頼性を検討しました.
結果ではAxis4,9が有用ということで結論として
膝蓋腱付着部内側1/3〜脛骨遠位1/4の部分と,脛骨前縁の近位1/3と遠位1/3を結ぶ線の2つが機能軸として用いる.
まとめ
内外反の指標は術前に脛骨前縁近位1/3,遠位1/3をマーキングして,髄外ロッドを軸に平行にすることで調整します.
確認として髄外ロッドが足関節正面,第2中足骨上にあることで信頼性が上がります.
TKAでの大腿骨側の術前計画についてまとめています.
TKAでの脛骨側の回旋についてまとめています.