先日,小児の脛骨遠位端骨折を経験しました.
その際にカンファレンスでtriplane fractureについて言及があり,整理してみました.
”Triplane fracture”とは
矢状面,前額面,水平面の3平面に骨折を有するもの
脛骨遠位骨端線閉鎖前の限られた年齢に発生する,比較的稀な骨折であるとされます.
1970年 Marmorがan usual fracture of distal tibial epiphysisとして報告
1972年 Lynnが「矢状面,前額面,水平面の3平面に骨折を有するもの」と定義,命名しました.
正面像ではS-H分類Ⅲ型,側面像にてⅡ型あるいはⅣ型を示し,一般的に two fragment typeが多い.
脛骨遠位骨端線の閉鎖は中央→内側→外側となり,内側の骨端線が閉鎖し,外側の骨端線が閉鎖する前の時期に外旋力が加わることで発症すると考えられる.
骨端線閉鎖年齢
女子は男子より1.5から2歳ほど早い.
Spiegelらは小児足関節損傷において
S-H分類Ⅲ型,Ⅳ,Ⅴ型,triplane fracture, j. Tillaux fractureにおいて2mm以上の転位がある症例を後遺症を生じやすいhigh risk groupとしている.
整復後も2mm以上の転位が残存する際に観血的治療の適応.
転位を整復できれば,骨端線閉鎖時期に近い時期での受傷のため,変形,成長障害,関節症変化は起こしがたいとされる.
骨折型としては稀なようですが,関節内骨折の原則に乗っとり2mm以上の転位があれば整復,固定の認識で問題ないようです.