整形外科学的考察を行うブログ

The Bone Identity ~整形外科医の日常~

整形外科医による日々のつぶやきです.

爪脱臼 シラー法(Schiller法)での整復方法

爪脱臼,爪剥離に対するシラー法での整復方法

2018年8月2日更新

 

「爪を怪我してどうしたらいいかわからない」

「爪の怪我がきてどう対処しようか」

この記事は診断から対処法についての目安となることを目標に書いてみました.

特に爪脱臼,爪剥離に対する初期対応と縫合法であるシラー法について解説しています.

爪の解剖,名称

まず基本的な爪の解剖図です.

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https://www.qlife.jp/dictionary/item/i_242163000/

 

  • 爪自体の損傷部位 爪甲,爪根か.
  • 軟部組織の損傷の有無 爪床,爪母の損傷があるか.
  • 伸筋腱や末節骨の骨折があるか

これらを確認してください.

 

初期対応,検査

  • 標準的な問診
  • 指の知覚機能,運動機能診察,伸筋腱断裂に注意して診察する
  • 単純X線写真:末節骨骨折の有無の判断

 

爪脱臼のみの場合

 爪根の位置異常を生じていて,骨折がない場合は爪脱臼となります.

指ブロックで受傷部に麻酔を行います.

十分に洗浄して創部を確認します.

爪床の損傷がある場合は別記事を参照に縫合を行ってください.

爪床の縫合は専門医へコンサルト(手外科,形成外科,整形外科)が必要です.

 

爪床損傷がない場合はシラー法で爪を整復します.

爪がいくら剥がれていても創部の保護目的に爪を戻してあげた方がいいです.

私は18G針で爪に2箇所穴をあけて,4−0ナイロンで縫合するようにしています.

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末節骨骨折+爪脱臼

 この場合,同様に指ブロックを行い,爪脱臼部位を確認すると骨が露出しています.

開放骨折となりますので,創部保護のために爪の存在がさらに重要になります.

基本的には整形外科医へコンサルトして十分な洗浄,固定を行う必要があります.

 

開放骨折は下図のようなGustilo分類で分類されます.

Gustilo Ⅰで3L,Ⅱで6L,Ⅲで9Lの洗浄が必要と言われます.

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爪床損傷についてもまとめています.

 

こちらの書籍を参照しています.

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