この記事では、手の指の痛みの原因と対処法についてまとめています。
へバーデン結節、ブシャール結節
・指の関節の変形が第一関節(整形外科医はDIP関節といいます)に起こるものを "ヘバーデン結節"、第二関節(PIP関節ともいいます)に起こるものを "ブシャール結節 "と呼びます。
・この症状に罹患した方は、結節と呼ばれる小さな骨の塊やコブが大きくなることで関節が厚くなり、違和感を感じることがあります。
・その結果、関節の隙間が狭くなり、痛みや可動域の減少を引き起こすことがあります。結節は骨のこぶで、指の関節の腫れや痛みを引き起こすだけでなく、粘液嚢胞と呼ばれる水ぶくれとして現れることもあります。
・症状には個人差がありますが、関節軟骨がすり減り、関節腔が狭くなることで、徐々に骨が変形していきます。そのため、靭帯が厚くなったり、滑液が溜まって関節腔が狭くなったり、指を一定の方向に曲げたときに痛みが生じたりします。
・上記のような症状により、指の動きが悪くなり、強く握れなくなり、日常生活が困難になることがあります。また、指が異常な角度に曲がるようになり、文字を書く、文字を入力するなどの単純作業がさらに困難になることもあります。慢性的な痛みのため、仕事や運動にも影響し、日常生活動作の低下につながることもあります。
・症状から診断は簡単なのですが、関節リウマチと似ている場合もあり、一見して見分けがつかないため、専門の医師による診断が必要です。
治療
・治療は保存療法が中心となりますが、エストロゲンの量が大きく変化する時期に発症する傾向があるため、エストロゲンと似た働きをする「エクオール」による症状の緩和が期待されます。なお、治療法はなく、対処法のみなので、健康管理と定期的な検診を受けることが重要です。
・治療には通常、痛み止めの薬が中心となります。イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや炎症を抑えるとともに、関節機能の維持に役立ちます。また、副腎皮質ステロイドは炎症を抑え、短期的に症状を緩和することができます。しかし、長期間の使用には副作用の危険性がありますので、主治医に相談することが大切です。
・さらに重症の場合は、痛みを改善するために、関節固定術や人工指関節置換術も行われます。関節固定術では、金属製のワイヤーなどで関節を固定するため、関節を安定させることができます。人工指関節置換術では、関節の一部を人工関節に置き換えることで、関節の動きを回復させ、痛みを緩和することができます。どちらも可動性の回復や痛みの軽減に効果があります。
まとめ
指の痛みや変形は、日常生活で大きな不便を感じることがあります。幸いなことに、治療法はあります。症状の進行を防ぐために適切な処置を行い、指の痛みや変形の兆候がある場合は、適時治療と経過観察を受けるようにしましょう。