パワーポイントでの発表について
学会発表は,数あるプレゼン資料の中でも特に情報量が多くなってしまう部類になります.
はじめに先行研究を紹介したり,結果では補足説明が必要となることもあります.
また全体的に学術的で難しいことや,丁寧に説明しなければならないことが多くあります.
研究内容を正確に伝えるためには,多くの情報の中から必要な情報だけを選んで,はじめにから考察まで論理的にストーリーを組み立てなければなりません.
そのため情報をデザインすること.
つまり,情報を整理整頓して,内容の構造を見た目に反映させることが必要です.
わかりやすい発表のためにはスライドデザインについて考慮することが大事なのです.
スライドデザインの3原則といわれるものがあります.
1.フォント
2.配色
3.統一感
以下それぞれについて紹介していきます.
1.フォントについて
手書きで字が読みづらい場合,内容に集中できないのと同様に,パソコンの文字が読みづらければ情報伝達の妨げになります.
パソコンで使用するフォントにも個性があり,フォントによって読みやすさ・見やすさは異なります.
読みやすく(視認性がよいといいます)使い勝手のよいフォントを紹介します.
游ゴシック : 美しい読みやすい文字.
太さは3種類(ライト、ミディアム、ボールド).
Windows 8.1以降の搭載なので,使えない場合も多い.
メイリオ: 字面が大きく遠くからでも読みやすい.
ただし,字面が大きいので字間が狭っく,漢字が続くと読みづらい.
文字に丸みがあるので,幼い印象もある.Windows Vista以降に搭載
Macでも利用可.
ヒラギノ角ゴシック: Mac搭載のくせのない読みやすい文字.
太さがW0〜W9まで10種類も搭載.
Windowsでは使えない.
MSゴシック: あまり美しくはなく,読みやすい文字とは言い難いといわれる.
太字対応しておらず,プレゼン資料には不向きかも.
抜群のWin/Macの互換性で,どのパソコンでも使用可.
2.配色
地味にならないようにスライドに色を多用してしまいがちですが,色数が多くなるとそれだけ情報量が増えることになり,煩雑な印象を与えてしまします.
内容が難しく複雑なものだからこそ,資料の見た目はシンプルで見やすいスライドになるように心がけましょう.
使えるのは「メインカラー」と「強調色」の2色が無難で,多くても3色を目安としてください.
また彩度,明度という項目があります.
一般に原色といわれる鮮やかな色は視認性がよくありません.
それはスライドがプロジェクターを使ってスクリーンに投影するためです.
彩度と明度の高い色は明るくなりすぎて見づらくなることがあります.
特に,黄色や黄緑などは白背景では色飛んでしまいますし,他の色でも目がチカチカしてしまいます.
それを避けるために,落ち着いた配色を選ぶことが理想です.
3.統一感
スライドのデザインは発表を通じて統一させることが大切です.
タイトルや小見出し,本文の位置,フォントの大きさ,強調色などを各スライドで統一しましょう.
そうすることで,スライドが切り替わっても一瞬で構造を把握することができます.
スライドデザインが統一されていると,聞く人は安心して発表内容に集中することができます.
マスタースライドの作成
統一感のでるスライドの作成には1枚1枚スライドを調整してはできません.
そんなときは,パワーポイントのスライドマスター機能を使いましょう.
タイトルの装飾とテキストボックス,本文の箇条書きのテキストボックス,締めの一文のテキストボックスを設定して固定しておけば,作業が効率化できます.