整形外科学的考察を行うブログ

Daily Orthopedics ~整形外科チャンネル~

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先行者優位、ネットワーク外部性、initiativeをどうとるかという話。

先日モバイル決済アプリのpaypayが大型キャンペーンを行っていたのは記憶に新しいと思います。

paypay.ne.jp

「100億あげちゃう」キャンペーン | PayPay株式会社

 

電子マネーとどう違うんだといえば、一消費者からすると決済の方法が違うだけで便利さに関しては同程度かなという印象でした。

電子マネーと比較して入金の必要がないというメリットはあります。

しかし、店舗側としては手数料が低いなどのメリットがあるようで、モバイル決済の乱立状態となっています。

 

こういった、群雄割拠というか、戦国時代の様相を見ると、私は先行者優位とか、ネットワーク外部性とかを想起してしまいます。

 

paypayが何故あのような大規模キャンペーンをやるかといえば、市場のinitiativeを取りたいからですよね。

 

一般的に先行者ほど、市場でのinitiativeを取りやすく、結果としてネットワーク外部性のメリットを享受しやすくなります。

 

ネットワーク外部性とは
ネットワーク外部性とは、製品やサービスの利用者数や利用率が増えるに従い、その製品やサービスの質やメリット、利便性が利用者そのものに還元される性質や現象です。

 

今回のようにモバイル決済を使用する人口が増加すれば、使用できる店舗が増えるほか様々なサービスの拡充が行われるという現象が今後起こってくると考えられます。

 

 

ネットワーク外部性においては利用者数や市場シェアがそのまま利用者のメリットや製品・サービスの質の向上につながると考えられるからです。

これは、ネットワーク外部性の直接的効果と呼ばれています。

 

一方で、利用者数や市場シェアが間接的に働く場合もあります。ネットワーク外部性によってある製品やサービスの利用者が増えれば、それに関わる製品やサービスが増えて購入しやすくなったり、価格に影響するなど、その製品の価値を間接的に左右することがあります。

これはネットワーク外部性の間接的効果と呼ばれています。

 

 

 

 

 

そして、市場をとるという考えでは私は「スティール・ボール・ラン」(16巻 82頁)のファニー・ヴァレンタイン氏の名言を思い出します。

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ファニー・ヴァレンタイン

このレースが終わった時・・・その時・・・この地球上に
『どんな事が起こるのか?』説明してあげよう
たとえ話で・・・・・・・・・・・・
君は このテーブルに座ったとき・・・
ナプキンが目の前にあるが・・・
君はどちら側のナプキンを手に取る?
向かって「左」か?「右」か?

左側のナプキンかね?それとも右側のナプキンかね?
普通は・・・・・・・・・「左」でしょうか(ルーシー)
フム ・・・・・・・・・それも「正解」だ
だが この「社会」においては違う
「宇宙」においてもと言い換えていいだろう
・・・・・・・・・宇宙? ?(ルーシー)
正解は『最初に取った者』に従う・・・だ
誰かが最初に右のナプキンを取ったら
全員が「右」を取らざるを得ない
もし左なら全員が左側のナプキンだ そうせざるを得ない
これが「社会」だ・・・・・・・・・・・・
土地の値段は一体 誰が最初に決めている?
お金の価値を最初に決めている者がいるはずだ それは誰だ?
列車のレールのサイズや電気の規格は?そして法令や法律は?
一体 誰が最初に決めている?
民主主義だからみんなで決めてるか?それとも自由競争か?
違うッ!!ナプキンを取れる者が決めている!
この世のルールとは「右か左か」?このテーブルのように
均衡している状態で一度動いたら全員が従わざるを得ない!
いつの時代だろうと・・・・・・・・・
この世はこのナプキンのように動いているのだ
そして「ナプキンを取れる者」とは万人から
「尊敬」されていなくてはならない
誰でも良いってわけではない・・・
無礼者や暴君はハジかれる ――― それは『敗者』だ
このテーブルの場合・・・ 「年長者」か・・・
もしくは「パーティー主催者」に従ってナプキンを取る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「尊敬」する気持ちが全員にあるからだ・・・・・・・・・
仮に このテーブルに「イエス様」がつかれているとしたら
たとえ どんな人間だろうと ローマ法王でさえ
エス様のあとにナプキンを取らざるを得ないだろう?
・・・・・・イエス様・・・?どういう意味ですか?このレースと何の関係が?(ルーシー)
「たとえ話」だよ「た・と・え・」だ!
このレースが終わる時 我々の繁栄が始まるという事だ
もうすぐそれが手に入る・・・・・・
世界中の万人が「敬意を払う」ものがな・・・
それはゆるぎない確かなもの
それが「真の力(パワー)」だ その力の下には「味方」しかいない
最初にナプキンを取る事のできる人間になる その「円卓」に
この「ファニー・ヴァレンタイン」が座る事になるのだ

 

円座に座っている状態でどちら側のナプキンを取るかという話ですが、

ヴァレンタイン氏は「はじめにナプキンをとったものに従う」ということを行っています。

広義で解釈すれば、市場をとった者に従うという、現在の状況に近似できるのではないでしょうか。

一個人としては、乱立するサービス、アプリケーションの中でどれが、一番利便性が高い、利用者が多いサービスになるかを見極めて使用していくのがいいと思われます。

 

まとめ

モバイル決済アプリpaypyaの大型キャンペーンではネットワーク外部性、シェアの獲得の重要性に企業がどれだけ注目しているかが垣間見えたと思います。