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Daily Orthopedics ~整形外科チャンネル~

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ユベラ(ビタミンE製剤)の意外な使い方

*注意! 本解説は備忘録であり,正確な医療情報とは異なる場合があります.損害等の一切の責任を負いかねますので,ご了承ください.

 

レイノー現象という症状へのビタミンE製剤の効果についてまとめています.

手足のレイノー現象に他医が処方しており,なるほどと思ったので紹介させて頂きます.

 

レイノー現象とは

レイノー現象とは、寒冷刺激や精神的ストレスなどの誘因により発作的に手指など四肢末梢が乏血状態となる現象をいう。典型例では指趾先端が蒼白となり、ついでチアノーゼにより紫色となり、最後に反応性充血により赤色を呈するという三相性の色調変化を示す。赤色変化は伴わない場合もある。一般にこれらの色調変化を視診あるいは問診により確認すれば、診断が可能である。サーモグラフィや指尖脈波などの検査も診断に役立つ。チアノーゼ出現にはしばしば冷感、しびれ、疼痛を伴い、一般に症状は一過性である。治療は手足の保温、加温が原則であり、末梢循環障害に対してはビタミンEやプロスタグランジン製剤、Ca拮抗薬が使用される。

2年以上レイノー現象が持続し、基礎疾患が認められない場合はレイノー病と診断する。一般にレイノー病は若い女性に多く、現象は両側性であり、潰瘍を形成することはまれで、予後は良好である。一方、基礎疾患が認められる場合はレイノー症候群と診断され、その予後および治療は基礎疾患による。基礎疾患としては、全身硬化症やsystemic lupus erythematosus(SLE)といった膠原病、閉塞性動脈疾患、神経疾患、中毒、外傷、内分泌障害、血液疾患などがある。また振動工具や塩化ビニールなどの薬剤を扱う職種の従事者にも、レイノー現象を認めることがある。

https://med.toaeiyo.co.jp/contents/cardio-terms/pathophysiology/2-3.html

まとめると

・寒冷刺激やストレスなどの誘引により手足の色調が変化すること.

・鑑別疾患 膠原病という自己免疫疾患血管疾患,振動病など鑑別は多岐に渡ります.

・治療は加温,末梢循環障害に対する治療

となります.

 

ビタミンE製剤の効果

薬の効果と作用機序
血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬
ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で活性酸素の働きを抑える
活性酸素が過剰になると体の老化や動脈硬化などをおこす場合がある
ビタミンEはコレステロールの排泄や末梢血管の拡張にも関わる
ビタミンEの欠乏が関与する脊髄小脳変性症などに使用する場合もある
詳しい薬理作用
ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で細胞の老化などに関与する活性酸素(過剰に発生した場合に細胞を傷つけてしまう)の働きを抑える働きをもつ抗酸化ビタミンの一つ。血液中でLDLコレステロール(一般的に悪玉コレステロールと呼ばれる)は活性酸素と反応し酸化されて血管を傷つけてしまうが、ビタミンEは抗酸化作用によりこの反応を抑え、動脈硬化などの予防が期待できる。また、ビタミンEは末梢血管の拡張に関わることで頭痛や肩こり、冷え性などの血行不良による症状の改善も期待できる。

本剤はビタミンE製剤であり、体内にビタミンEを補充することで抗酸化作用などにより、コレステロールの低下や動脈硬化の予防、冷えや肩こりを改善するなどの効果が期待できる。また本剤はビタミンEの欠乏が関与するとされる脊髄小脳変性症などに使用する場合もある。なお、ビタミンEは内服薬(飲み薬)だけでなく、外用薬(塗り薬)の成分としても使われていて、例えばビタミンEとビタミンAを含有したユベラ軟膏は凍瘡(しもやけ)や進行性指掌角皮症(手あれ)などの皮膚症状の改善に使われている。

medical.nikkeibp.co.jp

・ビタミンEは抗酸化作用,末梢血管拡張作用によりレイノー現象や血行不良による症状,動脈効果の予防に効果があると言われているようです.

 

レイノー現象に対する治療の1つとしてビタミンE製剤は使われることがあるようです.

治療の抽斗として,覚えておくといいかもしれません.