ドブタミンとは
ドブタミンは合成カテコラミンであり,2つの異性体が混合しています.
そのためα1刺激とβ2刺激が打ち消しあって,基本的にはβ1刺激をメインとした強心薬になります.
その結果,心収縮力と心拍数を増やすことで心拍出量を上昇させます.
軽度ですが,末梢血管拡張作用もあるとされています.
使用する場面は
左心不全,両心不全,とくに体・肺毛管抵抗の増大を伴う低心拍出量状態です.
投与量
1〜5γ(μg/kg/min)を投与
患者の状態に応じて適宜20γまで増量.
もしくは2.5〜20γで使用
(ICU/CCUの薬の考え方,使い方ver2より)
副作用
血圧低下,心筋酸素消費量を増やし,虚血が増悪する可能性があります.
禁忌
閉塞性肥大型心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)
(左室からの血液流出路の閉塞が増強され、症状を悪化するおそれがある)
ドブタミン塩酸塩に対し過敏症の既往歴
0.2%,0.3%製剤のγ計算,体重早見表
市販でドブボン注(0.3%)シリンジがあり,体重50kgでは1ml/hrが1γで計算が簡便です.
私が勤める病院では100mg/5ml製剤でしたので,生食45mlで溶解します
100mg/50mlとなり,0.2%製剤となります.
|
(0.2%)2mg/ml | ||
体重(kg) | 1γ | 2γ | 3γ |
20 | 0.6 | 1.2 | 1.8 |
30 | 0.9 | 1.8 | 2.7 |
40 | 1.2 | 2.4 | 3.6 |
50 | 1.5 | 3 | 4.5 |
60 | 1.8 | 3.6 | 5.4 |
70 | 2.1 | 4.2 | 6.3 |
80 | 2.4 | 4.8 | 7.2 |
(0.3%)3mg/ml | |||
体重(kg) | 1γ | 2γ | 3γ |
20 | 0.4 | 0.8 | 1.2 |
30 | 0.6 | 1.2 | 1.8 |
40 | 0.8 | 1.6 | 2.4 |
50 | 1 | 2 | 3 |
60 | 1.2 | 2.4 | 3.6 |
70 | 1.4 | 2.8 | 4.2 |
80 | 1.6 | 3.2 | 4.8 |