整形外科学的考察を行うブログ

Daily Orthopedics ~整形外科チャンネル~

整形外科専門医が執筆.日々の診療に役立つ知識をまとめています.

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胸腔ドレーン エビデンス

癌性胸膜炎による滲出性胸水でドレーン留置中の方がいます。

雑誌intensivistを参考に、現在のエビデンスをまとめました。備忘録です。

 

○径

軽症気胸20Fr
状態不安定,人工呼吸中の気胸24Fr,
胸水8-16Fr,
膿胸20Fr以上,
血胸28-32Fr


◯抜去基準 エアリークが存在しないこと,排液が十分減少していること
・エアリーク:水封で24時間観察が一般的 クランプテストはエビデンスなし,3時間水封では気胸が出現/拡大する場合がある
・排液:漏出性/悪性胸水,膿胸のドレナージ終了基準のエビデンスはない,外傷と胸部手術後では200ml/dayの排液量がドレーン抜去の基準となる
膿胸では排液50ml/日以下,色調が澄んだ黄色,排液に含まれる沈殿物の量が5ml以下となった場合に抜去を検討すると成書に記載あり.
・抜去方法に関して明らかなエビデンスはない


◯再膨張性肺水腫
頻度1%程度,死亡率は20%程度とされる
危険因子:若年者,長期間(4日間以上)の肺虚脱,高度の気胸,1−1.5L以上の急激なドレナージ
排液の量,および速度との関連は証明されていない.

 

癌性胸水に関しては排液量が抜去基準になるのでしょうが、自分は一度クランプテストをしてみました。翌日にはみるみる胸水がたまり、いずれ癒着療法かなと思っています。