橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折合併するケースにはよく遭遇しますが,尺骨の骨幹端部で粉砕している症例がいたのでまとめます.
治療方針の決定には
1)茎状突起骨折の部位
2)遠位橈尺関節の状態
上記2点の把握が重要です.
また橈骨遠位端骨折合併の際は,尺骨単独骨折と区別することが必要です.
合併例では一般的に,橈骨固定後も遠位橈尺関節の不安定性を認める症例や,尺骨骨片の異常可動性がある症例に骨接合術が必要となります.
尺骨茎状突起に付着する三角線維軟骨複合体(TFCC)
TFCCの機能
遠位橈尺関節の支持性,および尺側手根骨の緩衝作用.
内田先生らの分類
中村先生らの分類
a)先端部骨折,b)中央部骨折,c)基部水平骨折,d)基部斜骨折
骨折が茎状突起だけではなく,骨幹端に及ぶ際に用いられる,Biyani分類